さりな blog

時々小説 時々つぶやき

姫=狩人 02

そんなこんなで草原の広がるフィールドについた。

周りは草だらけで草が生い茂るばかり。

だが……

「敵がいない…なぜに?」

さりなが最初に気づく。

「…え?」

ポカーンとするな!と言いたいくらい男は気づいてなかった。

「…ありゃ?」

「ふぇ…?」

3人ともボケすぎなのでは……

さりなは心の中であざ笑った。

「…気づくの遅いな。狩りしか考えておらぬからか?周りをよく見よ」

いずれは痛い目を見るかもぞ……

「すっ、すみませんでしたぁ」

「謝らんでよい。次から気をつけたまえ」

さりなは不満を持ちながらも歩いた。


********

くっ……あたしゃも汗だくになってきた……

体力は奪わなくとも、汗だけは排出されてしまうのだな……

どろどろに溶けてしまいそうな汗の量。

止まらねぇ……。


そんなこんなであたしゃ達は紫色のテントが目立つ集落に着いた。

「一段落つこうではないか」

「そうですね」

「……なぁ。のどはかわいてはおらんか?」

美しき姫君は男達に問いかける。
威厳を誇る姫=狩人であろうとも多少の気遣いは
出来る。

「あぁ……さっきから歩いていますし、のどは
かわきますね」

「ほう…」

コクンとさりなはうなづいた。

「おーい、水を4人分くれぬか?」

テントから顔を出したあたしゃは、店の者に注文した。

「はーい」


こんな草原一面に集落があるとはな────…
助かるものだ。

「おまたせしました」

水4人分を持ってきてくれた。

水を渡すと、男達3人は一気のみをした。

まぁそれはあたしゃもだが。