姫=狩人 02
そんなこんなで草原の広がるフィールドについた。
周りは草だらけで草が生い茂るばかり。
だが……
「敵がいない…なぜに?」
さりなが最初に気づく。
「…え?」
ポカーンとするな!と言いたいくらい男は気づいてなかった。
「…ありゃ?」
「ふぇ…?」
3人ともボケすぎなのでは……
さりなは心の中であざ笑った。
「…気づくの遅いな。狩りしか考えておらぬからか?周りをよく見よ」
いずれは痛い目を見るかもぞ……
「すっ、すみませんでしたぁ」
「謝らんでよい。次から気をつけたまえ」
さりなは不満を持ちながらも歩いた。
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くっ……あたしゃも汗だくになってきた……
体力は奪わなくとも、汗だけは排出されてしまうのだな……
どろどろに溶けてしまいそうな汗の量。
止まらねぇ……。
そんなこんなであたしゃ達は紫色のテントが目立つ集落に着いた。
「一段落つこうではないか」
「そうですね」
「……なぁ。のどはかわいてはおらんか?」
美しき姫君は男達に問いかける。
威厳を誇る姫=狩人であろうとも多少の気遣いは
出来る。
「あぁ……さっきから歩いていますし、のどは
かわきますね」
「ほう…」
コクンとさりなはうなづいた。
「おーい、水を4人分くれぬか?」
テントから顔を出したあたしゃは、店の者に注文した。
「はーい」
こんな草原一面に集落があるとはな────…
助かるものだ。
「おまたせしました」
水4人分を持ってきてくれた。
水を渡すと、男達3人は一気のみをした。
まぁそれはあたしゃもだが。