さりな blog

時々小説 時々つぶやき

Mにあげたラブレター2

時は過ぎ、放課後。
先生の靴箱で待っていた。
四角だけの靴箱。私はそれを窓みたいと思ってしまう。

「先生」

私の後ろに居た、憧れの存在。
男子生徒に愛されている人。
関わりはあまりないけどそれでも惹かれてる。

そんな奴が告白なんてしても、良いの?

「おぉ、さりなやん。そこで何しとん」

「……先生、私先生の事が」

「おぉ?どうしたん」

破ってバラバラにした、手紙をテープで繋ぎ合わせた。

それを握らせ──────…

「好き」

思考回路に、雷を差し込んだのかと言う行動……。

「……さりな。おれ、既婚者だから」

「……知ってます。だけど、想いを」

「何も受け取れん。でも、手紙は受け取っとく」

「それだけでも十分です。でも何で……手紙を引き裂いてしまったんですか?」

真剣な顔に、彼は困り顔。
問いつめようとは思わないけど、早く答えて。

「誰か分からんくて気持ち悪くて捨てたんや」 

そっか。やっぱ普通は怪しむよね。
怪しまない方がなんて、ソレは無理。

「……でも、さりなやったんやな。大事に持っとくわ」

「ありがとうございます。先生」

絶対に叶わない恋よりかは
気持ちを伝える恋のほうが良いよね

「……お別れのチューくらいやるか?」

「き、既婚者なんでしょ?それはまずい」
  
「ええよ、これくらい」

そう言って、先生は私と唇を合わせたのです……。

「軽いキスやけど、満足」

「……私も」

「じゃあな、さりな。さようなら」

「さようなら」

手を振った。悲しさよりかは、満たされた。

思考回路がずきずき痛むけど。
やりすぎたかなと少々思ってしまったや。 

でも、幸せ……

ありがとう。

これは、内緒だよ。

ありがとう……が足りないくらい。

   「Mにあげたラブレター2」